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私は多分、この人の前で、今までで一番赤い顔をさらしている。 体半分を横に向けた態勢で後ろを向いていた私は、恥ずかしくなってその顔をぐるんと自分の足元の方へ向けた。 “からかって”……。 その言葉に、なんとなく自分の気持ちを悟られているような気がする。 「俺が舞川さんと話すの、嫌?」 一瞬、心臓が跳ねた。 足もとに視線を落としたまま、目を見開く。 ドク、ドクと急にけたたましい音が体の中から振動を伝える。 固まった私は、ゴク、と唾を飲み、自分を落ち着かせようとする。 両腕をかけて後ろの席から見下ろしている桐谷先輩。 逃げたいけれど、逃げようがない。 返事をしないのは、肯定と同じだ。
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