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首の後ろを押さえながら、気だるさ満載で私の時とまったく同じ返答をする桐谷先輩。 「じゃあ、これを描いたきっかけとか……」 「あー……」 「ダメっ!!」 「え?」 舞川さんが瞬時にこちらを向いた。 わずかに遅れて桐谷先輩も。 シン……と静まり、凍りつく空気。 美術準備室の二人からも、振り返ると美術室のみんなからも、注目の的は……私、だ。 ……え? あれ? ……私、今……。 「っあ」 突如、今までになく顔に血が、熱が集中した。 真っ赤になって、 「ちがっ、違いますっ。あの、す、すみませ……、ごめ、ん……なさ……」 と、後ずさりし、しどろもどろになりながら弁解する。
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