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なんて答えればいいんだろう。 私にだけ特別に話してくれたはずの話を、他の人にも同じようにするのが嫌だったから。 2人だけの秘密にしておきたかったから。 そんなわがまま、そんなやきもち……。 それって、どこをどう解釈しても……。 「好きだよね、水島さんて」 「えっ!?」 「覗くのが」 「あっ! はいっ。いえっ、いいえっ」 桐谷先輩の発した単語に過剰反応してしまい、わけのわからない返答をしてしまうと、彼が、 「いつものクールで無表情な水島さんはどこ?」 と、またケラケラ笑う。 そして、「面白い」と、笑い涙を拭う真似をした後、 「ごめん、からかって」 と、開いていた口を閉じて微笑んだ。
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