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「嫌だって言ったら……どうするんですか?」
伏せていた目を桐谷先輩に戻し、意を決して挑戦的な言い方をしてみる。
内心は、心臓に汗をダラダラかいているような心持ちだけれど。
「どうすると思う?」
またもや疑問形で返され、やはりこちらが劣勢に。
「……どうもしないと思う」
「当たり」
なんだそれ。
そんな心の声が表情から漏れていたのか、ハ、と笑った桐谷先輩。
その顔をみて、多少の冷静さを取り戻した私は、
「ファンだからです。桐谷先輩の絵の。
だから、他の人に作品の話をすることに、嫉妬して……」
と、大筋では嘘じゃない理由を伝える。
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