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「なんだその不細工な顔は」
「もとからだよ」
昼休みの教室。
涼子が、「さようですか」と言って、私の眉間に当てた人差し指を下ろす。
「……私、フラれたみたい」
頬杖をついてぼんやりしながら呟いた言葉に、
「はっ!?」
と驚いた涼子の声が教室内に響く。
私は昨日の出来事を涼子に話した。
「やっと認めたか、好きだってこと」
「……」
「にしても、自惚れ発言だね、桐谷様」
「私の態度がバレバレだったんじゃない?」
へー、と言いながらプリッツをポリポリ食べる涼子。
「“ごめんね”、好きになっても無駄だよ、ってこと?」
「たぶん」
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