5

2/34
299人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「なんだその不細工な顔は」 「もとからだよ」 昼休みの教室。 涼子が、「さようですか」と言って、私の眉間に当てた人差し指を下ろす。 「……私、フラれたみたい」 頬杖をついてぼんやりしながら呟いた言葉に、 「はっ!?」 と驚いた涼子の声が教室内に響く。 私は昨日の出来事を涼子に話した。 「やっと認めたか、好きだってこと」 「……」 「にしても、自惚れ発言だね、桐谷様」 「私の態度がバレバレだったんじゃない?」 へー、と言いながらプリッツをポリポリ食べる涼子。 「“ごめんね”、好きになっても無駄だよ、ってこと?」 「たぶん」
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!