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「それじゃあ、さようなら」
「わっ、諏訪君」
ちょっと待って。
なに言った? なに言ったの? この人。
私の腕を掴んで階段の方へ向かう諏訪君に、私は口をパクパクさせながらも声が出ない。
どんどん離れていく距離に、振り返って先輩を見ると、彼は関心があるのかどうかわからないような、限りなく無の顔をしてこちらを見ていた。
角を曲がり、階段のところまで来たとき、諏訪君はようやく私の腕を離す。
「なっ……、なんで、あんな」
「あれでしょ? 水島がフラれた先輩って」
「う」
すかさず言い当てられて、私は言いよどむ。それが肯定となってしまう。
「フった相手にちょっかい出すって、タチ悪すぎだろ、あれ」
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