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「だれだよ、桐谷先輩ってー。舞川さん彼氏いないって言ってたじゃんよー。なんなの? つきあってんの?」
「いや、ごめん、違うかも。よろけたのを受け止めてただけかも。わかんないけど」
涙目の中野君に必死で言うと、
「だよなー。確認せずに決めつけるのはよくないよな。うん、よくない。よって、彼氏じゃない。うん、違うはず。うん」
と、彼は自分に言い聞かせるように呟く。
「桐谷先輩って、昨日のあの先輩?」
すかさず聞いてきたのは諏訪君。
ちょっと不機嫌そうな顔。
「……うん」
「なになに? 昨日なにがあったの? ちょっとおばさんに教えなさいよ」
割り込んでくる涼子に、「なにもないよ」とごまかすと、ちょうど昼休み終了のチャイムが鳴った。
是枝君と諏訪君が自分のクラスに戻ってから、私は「はぁ~」と大きなため息をついた。
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