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ふたりの間だけの沈黙を、他の乗客の生徒達の声が埋める。
バスの振動が私達を同じように揺らす中、たまに当たってしまう肩と肩。
いちいち意識せずにはいられない自分も嫌で、私は思い切り顔を窓のほうへと向ける。
「ねぇ、なんでそんなにカリカリしてんの? 今日」
「は?」
先輩だというのに、思わずそんな声が出た。
「そんなに嫌だった? 俺が舞川さんと一緒にいたのが」
……。
いけしゃあしゃあと言う先輩に、呆れすぎた私は逆に開き直り、
「嫌だったら、なんだっていうんですか?」
と、鼻息をフンッと出しながら言い放った。
途端に、ハッと破顔する桐谷先輩。
今日はよく笑う。
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