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「なに笑ってるんですか? なにがおかしいんですか?」
「なんでおかしいんだろ。いや、おかしいっていうより……」
「……?」
先輩は、あれ? って顔をして口を押さえる。
「……なんだろ?」
「知りませんよ。ていうか、次停車した時、私、通路に立つんで席離れていいですか?」
これ以上振り回されたくなくて、これ以上取り乱したくなくて、私は先輩から目を逸らしながら冷たく訴える。
「だから、なんでそんな怒ってんの?」
「先輩にはわからないんでしょうね。話しても無駄です。だから」
「いいよ、俺が立つから」
そう言って先輩は、揺れる車内でバッグだけを席に残して立ち上がり、吊り革に手をかけた。
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