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「あ。沙希ちゃん」
放課後、バスで帰ろうと階段を下りていると、最後の一段をちょうど下り切ったところで後ろから呼び止められた。
振り返って見上げた私は、その場に立ち止まり、
「舞川さん」
と言うと、彼女は足早に階段を下りてきた。
「話すの久しぶりだね。全然部活に顔出さないけど、何かあったの? 大丈夫?」
私のところまで来た舞川さんは、心配そうな顔。
……というか、それ以前に、ちょっと元気がないような気がする。
「部長もまり先輩も、どうしたのかな、って心配してるよ。……桐谷先輩にも聞かれたし」
「……」
舞川さんのこと振ったのに、やっぱりその後も普通に喋るんだ、桐谷先輩。
私と同じで……。
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