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さらに一週間ほど経った。
今日はけっこう強めな雨が降っていて、帰りのホームルームが終わって廊下に出た私は、濡れるからバスの時間までここにいようと、窓から校門のところをぼんやりと見ていた。
「……」
桐谷先輩……、絵は進んでるんだろうか。
こんなに雨続きだったら、絵に使う枝とか葉っぱ探し、思うようにいかないだろうな……。
あー……、見たいな……、先輩の絵。
それに、自分も描きたい。
あのビンの絵、中途半端だった。
色を重ねることで透明感を出す、あの魔法みたいな色の乗せ方、どうやったらできるんだろう。
桐谷先輩みたいな抽象画も描いてみたかった。
今の自分の心をそのまま色でキャンバスに乗せたら、どんな作品に……。
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