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そこまで考えてハッとした私は、その場でブンブンと頭を振る。 ぼーっとすると、桐谷先輩と絵のことばかり考えている。 美術部から離れたというのに、その頻度は増すばかりだ。 そんな場合じゃないのに……。 私は、ズシッと一層重みが増したようなカバンを持ちながら、小さくため息をつく。 「なんか、落ちてない?」 帰る人、部活に行く人、喋っている人。 いろんな生徒が廊下を行き交い、ざわついている中、窓際の私の斜め後ろから、声が聞こえた。 振り返ると、諏訪君が部活のバッグを肩に掛けながら、片眉を上げて突っ立っていた。 「びっくりした。なにが落ちてるって?」 「水島の気分」 「……」
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