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斜め後ろから横に来た諏訪君は、窓へ向いている私とは逆で、窓に背を預けながら再度こちらを見た。
「幸薄オーラ、ハンパない」
「失礼だよ」
軽く睨みながらもフッと笑った私は、また雨のほうへ視線を戻す。
「この前塾であった模試の結果が、思うような結果じゃなくて……さ」
「模試? 高1だし、そんなん気にしてたら、お前受験生になったときハゲてるぞ」
「やめてよ」
アハハと笑って、諏訪君の腕にグーパンチを入れる。
ただ純粋に成績が悪かったから落ち込んでいるんじゃない。
お母さんに、やっぱり勉強に専念しないと結果が出ない、的なことを言われ、美術部に行っていた私に対して“それみろ”と思われたことが嫌だった。
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