仮想世界の箱庭へ

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 完璧超人の名をほしいままにするケントだったが、この手の娯楽系の話には少し疎いところがある。 「うーん……セツナ、誘ってもらえたのは嬉しいんだけど、僕でいいのかな。あんまりゲームとか詳しくないんだけど……」  自信なさげなケントの台詞にセツナは苦笑した。 「大丈夫大丈夫。ってかやって率直な感想とかくれればいいってだけだから、ぶっちゃけ誰でもいいんだよな。それにほら、素人意見も参考になるかもしれないし」 「うーん……まあ、セツナが良いって言うなら参加させてもらおうかな」  セツナの言葉でケントが首を縦に振り参加が決定。  話がまとまりかけたところでシグレがふと何かに気付いたように食事の手を止める。 「ところでセツナ。行けるのは三人までか?」 「あー……いちおう四人までいいって言われてるけど――」 「女子誘おうぜ」 「……いちおう聞くけど、理由は?」  シグレの唐突な提案にセツナが訝しげな顔をする。シグレは至極当然な顔で、 「だってVRだろ? ゲームの中だろ? ビキニアーマーとか魔女っ娘コスとか色々できるんだろ? 見てみたくない?」 「またお前は……」  セツナが頭痛でもするようにこめかみを抑えた。 「まあまあ。せっかくなら大人数で言った方が楽しいと思うよ?」 「いいこと言ったケント! だいたい、ファンタジーならヒロイン枠は必須だろ。男だらけのパーティーなんて絵面的にアウトだ。誰が表紙を飾るんだ? 誰がサービスシーンを担当するんだ? 顧客のニーズを考えてみろよこの野郎!」 「お前はどこに宣伝するつもりなんだよ。……まあいいけど、誰を誘うんだ?」  セツナが呆れ顔で質問する。  ちなみにケントはともかく、いまいち女子と接点の薄いセツナやインドア一直線のシグレが誘える女子となると極めて限定される。  シグレはぴっと人差し指を立て、その中の一人を挙げた。 「そうだな。そんじゃ、セツナの幼馴染とかは?」
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