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薄暗さの中でもわかる色彩の美しさに、もう幾度感じたかわからない衝撃と感動。 様々な青の中で眠る私は、まるで胎内にいるかのような、無垢で穏やかな顔をしていた。 不思議だ。 海の中にいるみたいに描かれているのに、静かな呼吸音が聞こえてくるくらいに生気と健やかさがみなぎっている。 「…………すごい」 素直にそう呟いていた。 スランプだって言っていたのが嘘みたいに、色が生きている。 「一応、終わり」 「“終わり”って……完成ってことですか?」 「うん。今日を逃したらまた水島さんが来なくなるかもしれないから、一思いに描いた。乾かしてから細かい筆は多少入れるけど」 「……そっか」 隣に立つ桐谷先輩の横顔を見ていた私は、再度油絵に視線を戻す。
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