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「あ! そうだった! 手紙っ!」
バスの終点、ふたりで降りた途端に上げてしまった大きな声に、
「なんの?」
と怪訝な顔で聞き返してくる桐谷先輩。
「え……と、友達が、友達伝いに私の友達にって預かってた手紙……」
「“友達”多いね」
「……ハハ」
すっかり忘れていた。
明日、ちゃんと舞川さんに…………ていうか、やっぱり自分で渡したほうがいいよ、って中野君に言いに行こう。
いや、その前に諏訪君に……。
「いる?」
夕方と夜の間。
外灯がちらほらと灯り始め、秋をほのかに感じさせる小さな風が、私と先輩の髪を撫でる。
横に並んで歩く先輩がポケットに手を突っ込み、出した手をおもむろに開けば、手のひらいっぱいの黄色が現れた。
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