0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
その奇妙な店は・・・商品として「対物ライフル」を置いていた。
店の奥深く、他の商品に埋まって見えにくいガラスケースに、「精巧なモデルガン」とラベルが貼られているけど、あいにく実物を見た事があるボクには、それが本物だと分かった。
いつも通う高校の通学路にある雑貨屋。
良くわからないものを売っていたけど、こんな物まで売っていたとはね。
通報しようか考えたけど、自分にメリットがあるわけじゃないから止めた。
信じてもらえないだろうし。
ーーーーー
教室に着くと、1人の大柄な男子がボクに抱きついてきた。
「おはよう、タケル君」
「元気無いなー、カガサキ。 低血圧か?」
「そんなところ」
「神崎 タケル」君。
ボクと同じクラスの男子で、その外見から「おっさん」と呼ばれたりしてる。
タケル君は、中東から転校してきて、日本人なのに「カガサキ・レピンス」という外国人みたいな名前のボクに、最初に声をかけてくれた人。
そして、今は事あるごとにボクを構ってくる。
「カガサキ。 今日、オレの家に寄って行かねぇか?」
「タケル君の家?」
タケル君が、ボクの肩を抱きながら言った。
「タケル君の両親に迷惑じゃない?」
「二人共、明後日まで居ないんだよ」
またパチンコか遊びに行ってるのね。
タケル君が前に話していた事を思い出す。
「なら、いいよ」
「サンキュー!」
ボクが答えると、タケル君は嬉しそうな顔をしながら、ボクの頭を撫でた。
ボクが身長150cmで、子供みたいに見えるからって、ひどい。
でも、タケル君らしいから良いけど。
最初のコメントを投稿しよう!