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-ペレ・アレクサンドロ-
彼はディムグラント国、首都ハーデルハイムを根城とするマフィア組織、アレクサンドロ一家の三兄弟の末っ子として産まれた。
アレクサンドロ一家は彼の父ドーラ・アレクサンドロが一代で築き上げた組織で『弱きを者を助け、強き悪を挫く』仁義に厚い昔堅気のマフィアであった。
彼がいつもウエスタンハットを被っていた事から、『ドン・カウボーイ』と呼ばれ周りから親しまれていた。
表向き首都ハーデルハイムの治安は、国の治安部が取り締まっていたが、裏ではアレクサンドロ一家が取り仕切っていたと言っても過言ではない。
ペレ達三兄弟は、そんな父を心から尊敬していた。
長男のドル・アレクサンドロは、礼節をわきまえた男で、非常に賢く、線は細かったが剣術にも長けていた。
父の反対を押しきり、ディムグラント国の騎士の試験にも合格するほどである。
次男のガジム・アレクサンドロは、酒癖が悪いのが玉に傷だったが、それを除いては、体も大きく力自慢で、父同様に仁義にも非常に厚い男であった。
父と二人の兄は、ペレにとって自慢である。
そんなある日、アレクサンドロ一家を揺るがす出来事が起こる。
ゼクス歴93年ペレが11歳の時である。
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