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episode1・ジョン太郎の就職
今日もお騒がせしております。ボクはジョン・太郎。出稼ぎにこの日の元に来た介護士デス。祖国では勤勉で貧しい中、ボクを送り出してくれた家族に感謝しつつ、やっていける自信もありました。でも、どうやらボクはトンデモないところに就職してしまった見たいです。
ボクの祖国は貧しく、この日の元でのバイト数日のお金で家が建ちます。必死に勉強して家族の期待を背負ってようやく介護大学を卒業しましたが、どうにも日の元はガイジンに厳しい様で正職採用の話はなかなかもらえません。スーツにネクタイを結び、その日も仕事を求めていました。
増田施設長「初めまして、私がここの施設長の増田です。志望動機は?」
ジョン太郎「祖国の家族の為に働ける場所を探しています。介護士になれば送り出してくれた家族にもいつかお金以外の恩返しが出来ると思っています」
今日は求人のあった老人ホームの面接デス。しかし、ここは本当に老人ホームなのでしょうか?施設長と名乗る増田氏、大柄な男性デス。恐らく特注のサイズなのでしょうが、キチキチの筋肉に押されて悲鳴をあげている様なワイシャツ、髪のない頭部がたまらない圧を放っていマス。それに隣に座った若い女性は丈の短いスカートにはだけた胸元……彼女も別の意味で介護士には見えません。
増田施設長「うん、なるほど……ところで君、プロレスは好きかい?」
ジョン太郎「は?」
沈黙しました。初めての質問でした。介護施設でプロレスについての話題、意味も分からず本心で答えました。
ジョン太郎「ボクはプロレス……見たことありません。でも、食うにも困る人がいるこの世界で楽しむために暴力する人がいるのあまり好きじゃ無いデス」
その瞬間、温厚に見えた増田施設長から笑みが消えました。
増田施設長「そうか……残念だが、君はウチには縁が無い様だ」
ジョン太郎「は!?なぜデスか!?プロレス、介護士関係分かりません!!」
あまりの展開にボクは異議を申し立てました。シンショウはより悪くなると分かりながらも、それは納得の出来る審議ではありませんでした。すると、増田施設長の隣で足を組んでいた白衣の女性が笑い出しました。
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