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私が鈴菜のアパートを訪ねた日から二日後の火曜日、朝から我が家はバタバタしていた。 このままでは約束の時間に間に合わないと、必死に子供達を着替えさせている。 もう少し早く目覚ましをセットしておけば良かったと後悔した。 今日は12月21日。 修一が亡くなってから5年目の命日だ。 幸いな事に誠の幼稚園は今日から冬休みで、樹は今日まで休みを取ってくれていた。 なので、家族全員で修一の墓参りに行ける事になったのだ。 晃は仕事で来られないが、毎月墓参りに行ってくれていた母は今日も来れる事になった。 一応、誘ったけれど美樹はお店で忙しくて来れないそうだ。 勿論、二葉と鈴菜は一緒に行く予定だ。 更に今日はわざわざ遠くから、看護師の高橋 春香さんが来てくれる。 鈴菜に電話でその事を伝えると、少し躊躇(ちゅうちょ)をしたものの、最後は高橋さんに会いたいと答えていた。 指導者としての責任を感じていた高橋さんも鈴菜に会える事を素直に喜んでいたので、その絵を想像するだけで、なんだか微笑ましくなった。
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