プロローグ

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だが、お詫びというようには聞こえないくらいの怒り口調になってしまい、余計に恥ずかしさが込み上げてきた。 「…そんなのいいよ。本当に大した事ではないしさ」 彼にあっさり断られてしまう。 「…いえ、それでは私の気持ちが収まりません」 恥ずかしさに耐えて、しっかりと相手の目を見た。 「まいったな…」 気が付くと、私はこのチャンスを逃したくはないと必死になっていた。 そして、半ば強引に食事を(おご)らせて下さいという約束を一週間後に取り付けた。 それは本当に私の気が収まらないというのも勿論あったが、彼に好意を抱いてしまったから素直に食事に誘いたくなったのだ。 その日から一週間、私のドキドキは収まらなかった。 ◯ 一週間後、約束通り私たちは食事をした。 今まで彼に抱いていた印象と、実際こうして二人っきりで会って話してみると、その印象は全く違うものだった。 彼は確かに馬鹿が付くほどお人好しだ。
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