253人が本棚に入れています
本棚に追加
それを見送ってから、あらためて手紙を確認する。
手紙の宛名部分を見ると、確かに私宛ではあるが柴本 灯様ではなく旧姓の五十嵐 灯様とパソコンで印字されていた。
封筒を裏返すと、確かに母の言う通り差出人は書かれていない。
旧姓の私宛で、差出人は不明…
手紙に対する嫌悪感が心の底から溢れ出す。
手紙を開けたら爆発とかしないでしょうね…?
私は恐る恐る手紙の封を開けて、中に入っていた便箋を取り出した。
便箋は二枚あった。
便箋の最後の箇所を確認すると、そこには私を怪訝な顔へと変えるような名前が書かれていた。
柳 修一
どうやら、これは修一が送ってきた手紙らしい…
かつて恋人だった修一の…
中身は封筒とは違い、しっかりと手書きで書かれていた。
字を見ると、確かに彼の字はこんな字だったような気がしてくる。
私は嫌悪感を抱きながら突然、元恋人から送られてきた手紙に目を通す。
最初のコメントを投稿しよう!