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家に戻った翌日の日曜日、私は二葉と共に秋元 鈴菜のアパートを訪れていた。 私は左手に手提げ袋を持っている。 家に戻る前にあらかじめ美樹に頼んでおいて、今日の朝一で美樹のお店に取りに行ったイチゴのホールケーキだ。 あとケーキの他にも色々と食べ物や飲み物を買ってきてある。 少し早いけれど、私と二葉と秋元 鈴菜の三人でクリスマスパーティーをしようと私が計画したのだ。 でも、この事を秋元 鈴菜は知らない。 二葉が電話で会う事を約束はしたけれど、実は私が来る事は伏せてある。 私が来ると知れば、きっと拒むと思ったからだ。 それでも私は引き下がるつもりはない。 そんな強気な表情を作り、二葉と一緒に秋元 鈴菜が住むアパート内に入っていく。 …今日、二葉と待ち合わせ場所で顔を合わせた時に迷惑を掛けた事をしっかりと謝った。 昨日、電話でもそれなりに伝えたが、やはり会って直接謝りたかったのだ。 でも、二葉も私に母と面識があった事を黙っていたので、それをごめんなさいと謝られてしまい、お互い謝ったあとで顔を見合わせた時、思わず笑い合ってしまった。
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