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「何これ?」
彼女が不信感たっぷりの表情で訊いた。
「クリスマスケーキ。少し早いけれど、三人でクリスマスパーティーでもしようかなと思って」
そう言って、彼女に笑い掛けた。
「ケーキの他にも色々と買ってあるわよ」
私の隣で二葉が同じように笑顔で言った。
「…何ですかそれ?私を元気づけようとでも?…それなら迷惑だから帰って貰えますか?」
秋元 鈴菜は怒りに満ちた表情で言った。
「えっー?楽しいわよ?やろうよクリスマスパーティー!」
再度、笑顔で彼女に語り掛ける。
「そうよ。きっと楽しいわよ?シャンパンもあるし」
二葉が買い物袋の中からシャンパンを取り出して秋元 鈴菜に見せた。
「そんな気分じゃありませんから…ましてあなた達となんて…お願いだから、私の事は放って置いて下さい!」
彼女が感情的になって叫んだ。
「…放って置かないわ」
私は即座に彼女の言葉を否定する。
「…えっ?」
彼女は私の態度に少し驚いた表情をみせた。
「それが修一の願いだから…私はあなたを放って置く訳にはいかないの」
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