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待ち合わせ場所に行く前に、実家に寄って母を乗せていくため、それなりに家を早く出なければならない。 子供達の支度で忙しい私の前に喪服姿の樹が現れた。 「…樹、その格好で行くの?」 私は樹を見て訊いた。 「えっ?墓参りは喪服でしょ?」 「…別に法事じゃないんだから、喪服じゃなくていいのよ」 私は呆れたように答える。 「えっ!?そうなの?じゃあ、着替えてくる」 そう言って、樹が寝室に慌てて走っていく。 その姿を見て、思わずため息が漏れる。 結局、家を出れたのは約束の時間まで一時間を切ってしまっていた。 何度か母から携帯に着信があったのに気が付く。 きっと催促の電話だろう。 私達は急いで実家に寄って、母を車に乗せてから、目的地へと向かった。 目的地の墓地園に着くと、近くにある駐車場には既に二葉と鈴菜、そして高橋さんの姿がある。 私は鈴菜と高橋さんが笑みを浮かべながら、何やら話している姿を見て安堵感を抱く。 私達は三人の元に行き、挨拶を済ませた。
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