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彼のその軽率さが私を更に苛立たせた。
「ミスはミスなので、きちんと言って貰わなければ困ります。ミスを知らないままだと、また同じミスを繰り返すかもしれないんですよ?」
突っかかるように言った。
これではどちらが謝っているのか分からない…
すると、彼は私の態度に対して反論するどころか、クスッと笑った。
「それだけしっかりしていたら、次からはもう大丈夫そうだね」
目の前で笑顔を見せている彼に、私は心底呆れた。
「お人好し過ぎるとこ」
昼間に聞いた言葉を思い出す。
本当にこの人は…
こんな事で出世なんて出来るのかしら?
そもそも、営業なんて務まるの…?
いいように利用されてしまうのがオチじゃない?
あれやこれやと彼に対する苛立ちが頭の中でいっぱいになる。
彼の返答に納得出来ずに黙って立っていると、彼は仕方ないなと言わんばかりにため息を漏らして話を始めた。
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