第1章

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その2日後、 空巣事件の現場検証を終えて夕方署に戻った時。 携帯をチェックすると書店からの伝言が彼の声で入っていた。 直接出られなかったのが少し残念に思えて……そんな風に感じる自分にちょっと戸惑う。 報告書を書き上げて時計を見ると、 7時を少し過ぎたところ。 溜まっている領収書の請求をしようかとレシートの束を手に取ったものの、 また引き出しに戻した。 取り寄せを頼んでおいた本は、 特に急ぎというわけではなかったけれど。 「お、 今日は早いな」 スーツの上着を取り上げて立ち上がると、 こちらは残業が決定らしい同僚が珍しそうに声をかけてくる。
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