第1章
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――でなければ、 個人的に覚えていてくれているとか。 そんな自分に都合のいい考えが浮かんで――ちょっと待てと思う。 ……何が『都合がいい』んだ? 「…………」 自分に聞き返したが答えは返ってこなかったので。 眉間に皺が寄るのを感じながら、 車のエンジンをかけた。
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