第1章

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帰ってから園芸書を開いてみたものの、 はっきり言ってよく分からない。 分かったのは、 とりあえず種に春蒔きとか秋蒔きがあることぐらいだ。 この種はどれにあたるんだろう? 花の名前で探そうと索引を繰ってみて、 買ってきたのが家庭菜園の本だった事に気づいた。 それからしばらくは、 ひっきりなしに起こる事件に忙殺されていた。 強盗に殺人。 凶悪犯罪が後を絶たない大都市。 時々、 自分達のやっている事が空しくならないでもない。 賽の河原の石積みのようだ。 それでも事件がひとつ片付けば、 それなりに達成感はある。
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