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手がけていた事件の容疑者を送検して、
一息ついた帰り道。
夜も10時を過ぎてライトアップされた書店の看板を見た時に、
いっこうに育たない鉢植えのことを思い出した。
今度はきちんと中身を確認して、
花が載っている本を選ぶ。
カウンターには彼が居た。
「……ガーデニングとか、
お好きなんですか?」
不意に聞かれて目を上げた。
「え……いや、
そういうわけでは、
ないんですけど」
どうやら俺が買った本は覚えているらしいと気づいて、
少し動揺した。
仕事上のことだから?――それとも……?
ちょっと、
と言葉を濁して、
カウンターから離れる。
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