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「多紀さん!」
駐車場で聞き覚えのある声に呼び止められて。
はっと振り向くと、
バイクが止めてある一画で青羽が手を振っている。
スニーカーをつっかけながら、
転びそうな格好で走ってきた。
「……カウンターにいないと思ったら、
上がりだったのか」
目の前で息を弾ませる彼の表情が、
なんだか眩しい。
「あ、
今日は日勤で……多紀さんも帰りですか?」
背中のディバッグをひょいと背負いなおして、
彼が訊ねてくる。
「ああ、
捜査がひとつかたがついたから、
とりあえずな」
「――ガーデニングが、
お好きなんですか?」
手に提げていた半透明の書店のビニール袋に、
彼が視線を落とした。
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