第2章

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「あ……そうなんですか」 青羽が釈然としない表情で、 それでも頷いた。 じゃあと踵を返しかけたとき、 彼が口を開いた。 「えっと、 良かったら、 俺、 見てあげましょうか?」 鉢植え、 と青羽が続ける。 え?と彼の顔を見返した。 「あの、 俺、 そーゆーの、 結構得意なんですよ。 庭いじりとか。 ペットの世話とか大工仕事とか料理も得意です」 一気にまくし立ててから、 あ、 関係ないかと呟く彼に、 思わず笑みが零れる。 「……でも迷惑じゃ……せっかく早く上がったのに」 「全然っ!早く帰っても別にすることないですし!」 半ば強引に押し切られる形で、 俺は彼を官舎に連れて行くことになった。
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