第2章

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「それに日当たりが不足すると花付きが悪くなって枯れやすいんです。 なるたけ日に当ててください。 水は土が乾いたらでいいから、 液体の肥料を上げるといいですよ。 ありますか?」 いいやと首を振ると、 彼がひょいと立ち上がった。 「俺、 ちょっと行って買ってきます」 「いや、 そこまで甘えるわけには……」 言いかけた俺の言葉を、 彼が笑って遮った。 「すぐそこのホームセンターに売ってますよ。 どうせ暇だし、 行って来ます」 帰ってきた彼に飲み物でも出そうと思って、 インスタントコーヒーぐらいしかないことに気づく 。 帰り道で何か買って来れば良かったのにと、 自分の気の利かなさに溜息が零れた。
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