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隣に立っていた女性店員が、
呆れたような表情をちらりと見せた。
「花、
元気ですか?」
「ああ、
おかげで蕾をつけた。
……咲いたら見に来てくれ」
彼の方から話を振ってきてくれて、
ちょっとほっとする。
「君が早く上がれるのはいつ?」
思い切って切り出すと、
え?と彼の目が見開いた。
やっぱり唐突だったかと、
思わず視線が泳ぐ。
「その……この間のお礼に、
食事でもと……」
気後れした語尾が口の中で消えた。
「えええっ!」
彼の大声にレジの女の子が振り向いた。
意表を突く反応に、
顔に血が上る。
「いや、
あの、
別に君が嫌なら無理にとは」
「いきますお願いします嬉しいですっ!」
最後まで言わせも果てず、
青羽が一息にまくし立ててくる。
レジ脇に貼ってある紙を見て、
明後日が早番だと告げてきた。
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