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「じゃあ、
連絡する……君の携帯を教えて貰ってもいいかな?」
「はい、
えーと」
携帯を取り出した青羽が画面を開く。
「……事件が起こらないことを祈っていてくれ」
冗談半分の言葉に、
はい!と彼が満面の笑みを浮かべた。
「わ、
咲きましたね」
「君のおかげだ。
ありがとう」
鉢植えを見たいと青羽が言うから、
食事に行く前に官舎に寄った。
淡いピンクの花が小さく開いている。
「せっかく咲いたんだ。
枯らしてしまわないよう、
せいぜい気をつけないとな」
「……もしかして、
奥さんの好きな花、
とか?」
いきなり訊かれて思わず彼を見た。
見つめてくる黒い大きな瞳をなぜか正視できずに、
視線を逸らす。
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