第2章

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ふっと顔を上げると、 こちらを見つめている彼の視線と出合った。 真直ぐな眼差しなのに、 そこに映る意味が読み取れないほど、 深い瞳。 「……青羽くん?」 彼の長い指が伸びてきて俺の髪に触れるのを、 どこか人ごとのような気持ちでただ見つめていた。 髪から落ちた指先が首筋に触れる。 肌にぞくりと波が立った。 「……あお」 触れるか触れないかの指先が熱くて。 干上がった気がする喉から、 やっと声を出す。 「髪の毛がついてます……じっとして」 顔を寄せて囁かれて、 思わず視線を落とした。 青羽の指先が触れている場所が、 とくとくと脈動を早めた気がした。 自分の反応が理解できずに、 内心で苦笑を零す。
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