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なんとも ありませんからと軽く頭を下げて、
店内に入る。
背中に視線を感じてふと振り向くと、
彼――青羽が、
こちらを見送っていた。
その後何回か行くうちにこちらの顔を覚えたのか、
彼は視線が合えば笑って会釈をしてくるようになった。
不特定多数の客に向けられる業務用の笑顔ではないと思えたそれに、
少し戸惑ったけれど不快ではなかった。
なんとなく意識しだすと、
彼が子供と女性に人気があることが次第に分かってきた。
幾人かの女性客とは、
かなり親密な雰囲気を感じて――そんなことをこっそりと観察している自分にも驚いた。
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