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「じゃあそろそろ、私行くね?先生が、職員室前で待ってくれてるから…またあとでね」
「うん、またあとで…」
そう言って君は廊下へ出て職員室へ向かった。僕は荷物をまとめ廊下へ出た。今日は一段と時間が経つのが早く感じ、部活動の時間まであっという間だった気がした。部室に向かう途中、廊下では時々見る告白風景があった。ただいつもと違うのは、告白されてるのが龍斗先輩だった事。気まずさから僕は物影に隠れてしまった。出るに出れない状況で、僕は固まっていた。部室に向かうのはこの廊下しかないし、遅刻しそうだけどこの状況は気まずさしかない。早く終わってくれるのを願っていると、部活動中という事もあり廊下の告白は僕の居る所まで聞こえてくる。
「龍斗先輩が好きなんです!ちはる先輩と付き合ってるのはただの噂って聞きました…だから私気持ちを伝えたくて…」
「…気持ちはありがたいけど、でもそれは応えられないや。勇気を振り絞って告白してくれてありがとう、ただね僕にも好きな人が居る片想いだけど…でも今の形を壊したくないから告白はできないでいる。だから君が羨ましいよ…」
「片想いなら私にも希望はありますよね?振り向いて貰えますよね?」
「こんな事は言いたくないけど、多分君には振り向かないよ。部活動抜け出してまで色恋沙汰を充実させようとする子は、僕好きじゃないんだ。真剣に自分がやりたいって思った事を取り組んでる姿が好きだな。休みの日を使うとかね?以上、早く部活動に戻りな?きっと先生も待ってるよ」
「龍斗先輩酷いです!!先輩なんて…もういいです!!」
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