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女の子は泣きながら廊下を走ってどっかに行ってしまった。龍斗先輩が居たままでは、僕も動けない…それに片想いしてる人が居る事も初めて聞いた。ちはる先輩と付き合っていると言う噂は嘘という事は知っていた。だから尚更気になってしまうのだ。龍斗先輩はため息を1つつき、声をあげた。 「盗み聞きは良くないぞー、優喜。出てこいー。」 「ごめんなさい、聞く気は無かったけど部室向かうのにここのルートしか通れないもので…」 「はいはい。いいから、今聞いたこと全て忘れて…部室向かった方がいいぞー。遅刻するぞー。」 「あ!じゃあ、またあとで!!」 僕は急いで部室に向かった、遅刻かどうかはご察しの通りである。怒られただけで済んでまだ良かったと思った。競泳用の水着に着替え部活Tシャツを上から羽織る、そして1人でストレッチをしていると顧問の先生から呼び出された。何の用だろかと思いながら、先生の元へ行くとタイムを計測すると言われた。僕はある程度ストレッチを終わらせると、部活Tシャツを脱ぎスタートの位置についた。ゴーグルを着けかまえる…先生の笛の音と同時に飛び込む。息がもつ所まで進み息つぎで顔をあげ、得意の泳ぎをする。50m泳ぎきった所で、先生はストップウォッチを止めた。 「山岸。…やるじゃないか!前よりタイム早くなったぞ。これなら大会予選いけるぞ。」 「あ、ありがとうございます!」 僕は嬉しくて1番に君にこの事を、伝えたくなった。出逢ったばっかりの君に…ちなっちゃんにも、この事は伝えたくなったが先に君に伝えたいと思った。
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