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「どうしたの?」
「デヴィがね、年末にあるコンクールの予選をすっぽかして行方不明って…」
「えっ?!」
さすがにエルザも驚いて身を乗り出すと、二人は同時に顔を見合わせた。
「まさか…!」
真由は、一目散に駆け出して裏口から外に出ると、そこに制服姿のデヴィッドが花束を抱えて立っていた。ブロンドの髪が、秋風を含んでフワリとなびいている。真由とエルザは驚いて、そこにいるデヴィッドを見つめていた。リリィはそんな2人の後ろ姿と、向こうに佇むデヴィッドを見つめて、唾を飲んで見守った。
「デヴィ!!」
真由は呆気に取られて、動けないでいると、エルザは溜め息をついてメルを抱き上げて微笑みながら真由を見た。
「カフェ、またにするわ。メールするね」
エルザがそう言うと、真由はエルザを見つめた。
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