『宝島』

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外の雨を確認する。座るスペースしかないので、眠るわけにもいかない。寄りかかってしまったら、小屋が倒れそうであった。 「一年三人、眠っていいぞ」  秋里がスペースを割り振っていた。 「ここ、高校二年はいなかったの?」  そもそも天神の学生は少ない。住民自体が少ないのだから当たり前でもあった。でも、中学生はそれなりにいたので、もっと高校生も多くていいはずであった。 「高校二年の学年は女性しかいなかった。征響にはファンクラブもあって、変に仲間になると無視されるらしい」  よく分からない理論であろうが、要は天狗には女性がいなかったということだろう。  それに、征響で境目であったので、先のチームに入った者も多くいた。年上の中に混じっていれば、危ない事をしなくても済む。 「朝方になったら叩き起こす。そこからの見張りは頼むからな」  秋里の脅しは怖い。俺たちは急いで横になると眠る事にした。 「印貢、こっち」  藤原は甘くて、自分の服を俺の下に敷き、俺を包むように眠っていた。後ろには湯沢もいるので、寒くはない。  波音を聞いていると荒れていて不安になるが、この温もりは心地いい。 「印貢は、どこでも眠るな」  倉吉が俺をバカにしていたが、だが、そのまま俺は眠ってしまった。  早朝というのかまだ夜に、俺は秋里に叩き起こされた。 「俺は眠い、交代するぞ」  起きていたのは秋里だけで、征響も倉吉も眠ってしまっていた。  起こされたのも俺だけで、藤原と湯沢は眠っている。  でも皆が眠っている方が、俺は気楽であった。雨が止んだばかりの浜辺に出ると、もう月が出ていた。  月明かりがあれば、充分に見える。  山に登ってみると、洞窟の周辺を確認してみた。土砂に埋もれてしまって、洞窟は掘り起こせそうにもない。でも、土砂は上から下へと抜けていた。  流れた下へと歩いてみると、飯盒を見つけた。泥の中から飯盒を拾ってみると、中からシャキシャキという音がしていた。  米が濡れると嫌だったので、洗った飯盒を乾かし、中に米を入れておいたのだ。  飯盒を二個ほど見つけると、そのまま山を降りた。  井戸水で飯盒の外側を洗い、中を開いてみると、米は無事であった。  米を見て、こんなに美味そうだと思ったのは初めてだ。  米をとぐと、浜辺で火を起こした。  米を炊いていると、遠くに太陽の光が差してきた。 「綺麗だな」
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