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庭で出てきた星を見ていると、征響も横に座っていた。いつも征響と一緒にいる、秋里と倉吉も、今日は親に捕まっている。やはり、生存を喜ぶ程、心配していたのだ。
「弘武、自殺だったか?」
征響は、俺が相澤と連絡を取っていることに気が付いていた。
「他殺でしょう」
東タの部屋は荒らされ、金庫が傷だらけになっていた。犯人は、金庫が開けられなかったのであろう。しかし、その金庫は、同棲している彼女でも開ける事ができた。中身は貯蓄や株の類で、東タの両親の管理下に置かれた。
東タは研究所を持っていた、普段はそこで研究をしていた。起業したのも、自分の特許を製品化したものであった。理奈は研究所で働いていて、東タの片腕であった。研究所に大量の血痕があり、それは理奈のものであった。
暗証番号と指紋確認のあるドアの履歴を見ると、理奈が入室した一時間後、東タが入室していた。しかし、その直後に警察に電話をかけている。
「理奈が殺されている」
それは、ほかの職員も見ていて、理奈が中で血塗れになっていたという。東タは理奈に触れていないようで、また近寄ることもしなかった。どうしてなのかと他の職員が中を見ると、理奈は真っ二つに切断されていた。
全ての職員がショックで建物の外に出ていると、警察が中を確認した。
しかし、警察は大量の血は発見したが、理奈の死体と東タを見つける事ができなかった。
でも研究所には、共同の研究室の他にそれぞれの研究室があり、理奈の研究室で下半身のみ発見された・
そこで問題が発生する、東タの研究室はセキュリティを解除できず開かずの間になってしまった。未だ、誰も解除できない。
「俺、関わりたくないですが、気になります」
東タは島に自分の全てを隠したと言った。本来ならば遺書もあり、自殺であろう。でも、自殺にしてはおかしいのだ。まず、島に来たボートがない。遺書にしては、死に至る理由が書かれていない。自分が殺されると仮定して、東タは相手にメッセージを残した。
「まあ、弘武らしいよね」
また佳親が俺を捜していた。藤原の部屋にいなかったので、心配しているのであろう。
「ただのキャンプで良かったのですが」
冒険、探検、サスペンスまでなくてもいい。
「兄さん!」
俺が返事をしてみると、佳親も庭にやってきた。
「弘武!」
「この旅館、天神商店街の隠れ家ですか?」
「馴染みの旅館」
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