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バッテンの一つに行くと、宝物と書かれたメモが置かれ、鍋と飯盒が置かれていた。鍋は一つであるが、飯盒は五個程用意されていた。
「米が無いだろ」
一人で突っ込むと、ならばどこかに米があるのかと思い直した。
次のバッテンに行くと、そこには救急箱が置かれていた。
通りすがりに洞窟を見つけると、中に入ってみた。中は暗いが、反対側に抜けている。洞窟の地面を確認した方がいいが、危険は無さそうであった。
再びバッテンを捜すと、やっと米と缶詰を見つけた。そこにリュックもあったので、全て詰めると浜に戻った。
「食料確保!」
残りのバッテンには、テントか毛布があって欲しい。
「征響、食料を確保した。メシを炊こう」
一周してきた征響は、手にラジオを持っていた。
「でさ、地図を持ってきた」
残りのバッテンは二つ。しかし、その一つは征響が確認していて、ラジオを見つけていた。
「分かった、最後の一個に行ってくる。メシを頼む」
飯盒で米を炊いてみる。五個あるので、木で引っ掛ける置き場を作ってみた。
「印貢、キャンプに慣れているよね」
褒め言葉にもならない。でも、魚の味付けがない。塩くらい用意していて欲しかったが、調味料は何も無かった。
「海水で塩ってできるのかな」
鍋に海水を入れて煮詰めてみた。塩になるまでは、相当な根気が必要なのだと分かった。
「焼いた魚をどこに置こうか?」
置き場がなく、竹串のまま砂地に立てた。かなりの量の魚が焼けたが、味付けはない。
「ご飯も炊けたね」
近くの葉を洗い、皿代わりにして、ご飯を入れる。
「弘武、テントは一個。毛布は七枚」
七枚の根拠は何であろうか。人数を数えてみると、十四人いた。二人で一枚ということなのであろうか。
「では、いただきます」
魚をおかずに昼飯にする。味付けはないが、腹が減っていたので、残さず食べた。
「次は昼寝!」
体力は温存しておいたほうがいい。昼に休んでおくだけで、夜に動ける量が違ってくる。
「残った魚は、全部焼いておいた」
冷蔵庫がないので、魚が腐ってしまう。焼いてあれば、温めるだけで食べることができる。
浜辺に寝転び空を見ると、雲が早い。まさか、これは天候が変わる。
「征響、ラジオ」
天気を聞いてみると、台風が迫っていた。
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