星降る夜に

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「――よし、皆の衆!」  姫が戻ったことで歓喜に湧く一同に、長老が声を張り上げる。シェリーの背中に片腕を回したまま、もう片方の手でついていた杖を天に掲げるほどには舞い上がっているようだ。 「今宵は宴じゃ! このシェリーの快気祝いを盛大に催すとしようぞ! シェリーとレオンの婚礼前夜祭も兼ねての!」 「姫、疲れてるんじゃないか……?」  野太く、また甲高くもある歓声の中、ぼそりと冷静に呟いたのはリュウ。こんなときでも腕組みをしたまま表情を変えない彼の腕を、傍らのフローラが優しく引いた。 「見て」  フローラの視線を、リュウも追う。いつの間にかシェリーの周りを取り囲んでいた双子たちが、お祭りだ、お祭りだ、と口々に騒いで拳を振り上げていた。その中央で、当のシェリーも、目の端に涙を貯めつつ、楽しげに拳を掲げている。レオンとクリア、それに人に戻ったアドルフは、少し遠くから事を微笑ましそうに眺めている。ロアは一同のすぐそばで丸くなっていた。 「案外、楽しそうじゃない?」 「どこまでも呑気な連中だ」 「たまにはリュウ君も、ああいう場に混ざって羽を伸ばしてきたらいいのに」 「お前はどうなんだ」 「ふふふ。わたしは、見てるだけでも楽しいかな」
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