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 ここからが人生最悪のスタート。  昼休みになると、お腹が痛くなったのでトイレに駆け込んだ。時間が巻き進む。痛みとじりじりと戦いすぎたお陰が気が突くと予鈴が鳴った。さっき鳴ったのになんて既視感。それは正解ではない。  さっき?  それが1時間前のことでも?  教室に向かった私にアヤが声をかけてくれた。 「もうどこ行ってたの。待ちきれずにお弁当、ミカたちと食べちゃったよ」 「ごめん、体調悪くなっちゃって」    ああ、ミスった。時間の流れと自分の流れが噛み合わない。  頭が真っ白。というか次何の授業だっけ。 「次英語だよ。結局見せてもらえなかったなー」  そういえばそうだった。やってきてるのに見せなかったんだった。なんか申し訳ないなあ。いっつもアヤには迷惑かけちゃうな。 「体調、楽になった?」  アヤが顔を覗き込む。 「うん」   でも、お腹すいちゃった。ご飯を食べ損ねた私は席についた。我慢できる程度の空腹だから大丈夫。ノートを取り出して右端に日付を書いた。   「今日は班活動にします。振り分けは先生が決めました」  教室に入ってきて早々ご年配の女性教諭がそういった。  演習プリントを配布したあと、黒板に振り分け結果の紙をはりつけ、見たらさっさと始めてね、なんて言い放つ。  大雑把に結果を言うとすれば『散々』だ。 「げっ……」  思わず声が出た。アヤはおろか女がいなかった。喋ったことの無い男ばかりで構成されて……いや、一人だけいた。見覚えはある、そりゃあクラスメイトだもの。だけれども。 「――何こっち見ているの気味悪い」  会議がしやすいように机を固めたとき、何故かそんなことを言われた。故意じゃなく目が合っただけだ。声の主は唯二の女子、長石さんだ。きつめの態度で近寄り難い。女子も男子にも。正直彼女と話を合わせられるのは先生ぐらいだ。クラスの中では溶け込めないタイプの人。というかその性格に難があるからではなかろうか。 「ただの英会話の劇でしょ。さっさと進めなさい」  長石さんが抗議してきた。何故か私に一直線に、って……は? 「私に言ってる……の」  何でこっち向いて指示しているのだろうか。この人。
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