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中井さんはスキンヘッドに光を集めながら、奥の厨房へと入っていった。これからご飯を食べて家に帰ると家に着いて寝るのは4時くらいになる。その事に少しうんざりした。 明るい日差しが眉間に突き刺さるような感覚が活動の時間だと告げる。いつもより胃が重く感じるのはきっと、中井さんお得意のあんかけラーメンを食べてからすぐ寝たからだろう。 しょぼしょぼする目をこすりながら時計を見る。時刻は15時5分。外から小さい子達がはしゃいでいる声が聞こえてきた。この部屋の周りには集合住宅が多くあり、学校終わりの午後や休みの日には子どもたちの声が良く聞こえてきた。 最初来たときは小鳥のさえずりにも聞こえた声は、時が経つにつれ、カラスの鳴き声に聞こえてくるようになった。けれど、この時間に起きるようになってからは、第2の目覚まし時計となってくれている。 バイトまであと2時間弱ある。何をしようか。ころんともう一度転がると、目の前に冷蔵庫があった。ワンルームのこの部屋の冷蔵庫は入り口付近のキッチン近くにおいてあった。けれど布団のあるところから、必要以上に動かなくてもいいように配置を変えた。
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