第3章

7/24
前へ
/201ページ
次へ
「そんなことが……」 園山教授もさすがに言葉を失った。 「いや、それよりも君のお母さんが亡くなっていたということか……」 「いえ、それは私にも、もう過去の事と言えば過去の事なので……」 遥香はそう言ってごまかした。 「そっか……」 園山教授は、とりあえずコーヒーを口にした。 一口のはずが、遥香の話に聞き入っていて意外と喉が渇いていた。 そのまま飲み干してしまった。 「その、君が言った『首』の意味はわかった。確かに首だけの妖怪はたくさんいるが、今回みたいな事例か…」 教授はコーヒーのお代わりをカップに注ぎながら考え込んでいた。 「あ、一つあるな」 「え?本当ですか?」 「ああ、日本じゃないが、確かペルーの『ウミタ』だったかな?飛び回る首が人間を食べてその人間になりすますとかだったかな?」 「なりすます……ということは、その後動き回るんですよね?」 「そうだな」 「今回のはそういうのでしょうか?」 「遺体発見現場には被害者の足跡だけだったんだよな?被害者が自分でそこまで歩いたとなると、それも考えられるな」 「でも、結局亡くなってるので……」 「そうだな。まだ結論出すのは早いな」
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加