第3章

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「他にはありますか?」 「日本で言えば、踊り首、舞首、轆轤首(ろくろくび)、首おいてけとかが有名だが、大体は驚かすだけとか、害があっても血を吸うくらいだな。轆轤首に関しては、ただ霊体が抜け出した時に、その霊魂の流れが首に見えるだけという説もある。要するに、ただ首を置き換えるようなものはないな」 「そうなんですか……」 遥香は、教授に聞けば何かしら情報が出てくると期待していたので、思いの外がっかりしている自分に気が付いた。 「まあ、それはそうか」 「え?」 「古文書の時代に胴体と頭が違うということに気付くはずがないだろう。男の胴体に女の頭とかでない限り」 確かに、教授の言うことももっともだった。 「そうですね……」 「と、来ればだ」 そう言って、教授は自分の机に座ってパソコンをいじり始めた。 「先生、何か調べる方法があるんですか?」 遥香は教授の側に歩いて行って、一緒にパソコンを覗いた。 「これなんだがね……」 教授が開いたソフトは、ただの検索ソフトの様だった。 「これ、普通の検索ソフトに見えるけど、最近、俺が作ったんだ」 「え?あ、そっか。先生はパソコン得意でしたもんね」 園山教授は、パソコンオタクでもあった。 「で、普通のと何が違うって、検索結果が違うんだ、と」 教授は思い付く限りの言葉を入力した後、リターンキーを押した。 画面にたくさんの検索結果が表示された。
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