一章「後ろ向く学舎の浮世人」

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ーソウハ国立魔導学院 敷地内ー  まばゆい太陽が覗く春先、音の外れたチャイムが鳴り響く校舎内では、生徒たちが席に着き教師が話始めてる。 「オマエラ、オハヨーッと。休んでるやつは返事しなー?」 「いや先生、休んでたら返事d「よし、休みはショウヨウだけだなー」Nooooooooo!?」 浴衣をラフに着崩した教師の言葉に、頭を丸めた少年の悲鳴が重なり教室内を満たす、そんな弐年漆組のいつも通りのコントから一日が始まる 「そんじゃぁ授業っと....おイ、柊木はどうした?」 教師ーー柚葉=M=芙蓉ーーがにらむ先、空席となっている場所にはいるべき主の代わりに、コミカルなキャラクターが描かれた看板がおかれていた 「司書さん、本屋....猪突猛進。」 「『本が己を呼んでいる』って、ついさっき飛び出してったけど?」 顔を包帯で隠した少女――眼堂 紗切――と先ほど少年――ショウヨウ=風間――の返答に、芙蓉の顔が般若と変わった。比喩ではなく、文字通り。額から二本の角が突きだし、口元には鋭利な牙が生える。 「ほっほぅ?ヤロウ、また無断欠席かぁ?」 「芙蓉T、本性出てるヨ。」 そんな芙蓉の顔を、糸目の少年が手元の棒で指し示す、次の瞬間少年は、天井から体を生やす羽目に.... 「ちっ、しゃぁなし...そんじゃ、授業といくか。」
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