前世の記憶

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この話には、この会社の社長、つまるところ私が仕えている上司にあたるのですが、そんな彼が深く関係しているのです。 ……あ、いましたいました。ちょうど此方へ向かって、歩いて来ましたね。 社長、相変わらずの仏頂面です。 「おい、御堂。なんだこのスケジュールは。お前は甘いんだよ、もっと無駄のないスケジュールにしろ。いいな?」 こちら、ドスの効いた声と、イケメンなのに……いやイケメンだからこそ、不機嫌を隠そうともしない顔が怖い!ともっぱら評判のトンデモ上司ーーー大和田(おおわだ)社長でございます。 あぁ恐ろしや、恐ろしや。 大和田は、弱冠26歳にして社長に就任。 三十路となった今ではその凄腕っぷりを発揮し、我が社は国内のみならず世界に進出。好成績を残し続けているのです。
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